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彼女が切り取る“横須賀” ~過去を、想起する~ The moment recalling past Yokosuka

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"Yokosuka Blue" Thirty photographic works of such titles, recalling the re-landing of Perry 164 years, won a certain award. Domon Ken culture prize for amateur photographers. In the photographer it is a pretty well-known award.
"Yokosuka Blue" taken by Mr. Kumiko Stran was chosen from 143 entries.

 

“横須賀ブルー ペルリ164年目の再上陸を想起する”
そんなタイトルの30枚の写真作品が、とある賞をとった。

 

アマチュア写真家を対象とする土門拳文化賞。
土門拳という戦後日本を代表する写真家の功績をたたえ、彼の出身地である山形県酒田市が創設した賞である。

 

今回143作品の応募の中から選ばれたのがストラーン久美子さんの「横須賀ブルー」である。

 

写真家の中ではかなり知れた賞である。その受賞作が横須賀を写したものであるなんて、これは受賞者に話を聞かずにはいられない。

 

高校生の頃から米国で20年暮らし、帰国後の現在は横須賀米海軍基地で働いているストラーンさん。

 

 

トランプ大統領が就任し、その影響を受けるであろう日本、そして米軍基地のある横須賀のこれからも、何が起こるかわからない。
それはまるで164年前にアメリカから開国を迫りにやってきた黒船の姿と重なった。

 

そのイメージを持ち、ストラーンさんはどぶ板通りを歩く子どもや、ランニングする米兵の姿など、基地のある横須賀の日常を写し、作品にした。

 

写真を始めたのは4年前。50代後半になってからだという。
きっかけは、とある雑誌に掲載されたおぼろ月の写真。
見たときに、自分が動かされるものがあった。
啓示、のようなものかもしれない。彼女はそれを“Sign”(サイン)と表現するが、そのサインを受け、彼女は自ら写真を撮ることを始めた。

 

多くの人が「今更カメラを始めてどうするの?」と言ったそうだ。

 

しかし、彼女はこう考える。
“Never too Late. 物事を始めるのに、遅すぎることはない。時間がない、お金がないなど、様々な理由をつけて始めない人はいつまでたっても始めない。人はいくつになっても何かをスタートできる。だから諦めず、やりたいならやるべき。始めるべき。”と。

 

彼女はカメラを購入してから毎日毎日、写真を撮り続けた。

ストラーンさんが写すエリアのうちの一つ。

 

 

自宅の近く、観音崎や走水など、シャッターが壊れるほど、撮り続けた。

様々な時間帯で、毎日変わる景色にシャッターを押す

 

 

「撮り続けてきたこと」が自覚されたのは、とあるローカルの写真コンテスト入賞作を観たときだ。

 

その入賞作品を観てストラーンさんは、全てどの位置から何ミリのレンズで撮ったかがわかったという。

 

ほんの初心者に過ぎなかった4年前。それまで自分が写真を撮る人になるなんて思ってもみなかった。

 

けれど、今自分が「撮り続けてきた」ことと、確かに得てきたものを感じている。

 

「キレイだから」というだけで撮ったものからは、「キレイ」というもの以上は伝わらない。

 

何万枚も撮った中の一枚に、毎日撮る日常の中のほんの一枚に、意味が生まれ、そこから初めて人に訴える力が生まれる。

 

今回の受賞で、ストラーンさんの語る「Never too late(遅すぎることはない)」という言葉に重みが増したことは確かだろう。

 

彼女の作品は4月16日まで土門拳記念館、6月6日~6月19日は新宿ニコンサロンで見ることができる。日米両国で暮らした彼女を写す横須賀を、観に行ってはいかがだろう。

[写真提供 ストラーン久美子]