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自称・山岳学思索の虫Book-worm on mountain thought

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横須賀市在住の樋口一郎氏、自らを「山岳学思索の虫」と呼び、独自の山岳世界を築く大いなる野望を持っている。過去に山岳誌『岳人』で連載を持つとともに『ニッポンの山解体新書』、『新釈日本百名山』(以上、東京新聞)などの著書があり、新しい視点での山の考察はオリジナリティーに溢れており、コアなファンも多い。

 

 右は日本第2位の高峰・北岳、左は同三位の間ノ岳。(樋口氏が南アルプスにて撮影。山岳誌にも掲載される写真の腕前は確たるものがある。)

もともとは鉄道好きであったが、行く先々で出会う山々に魅了され、仲間に誘われ百名山を登り始めたのが今から約30年前の26歳の頃。百名山を一つ一つ踏破するものの、人が多過ぎることが気にかかり、いつしか人があまりいない渋山を好んで登るようになる。そのため百名山を踏破したのは今から5年前。

 

南アルプスきっての奥深いヤブ山、黒沢山付近を登る樋口氏

・たどり着いたのは湘南・三浦半島の山々
人が足を踏み入れないような全国の山々を登ってきた樋口さんが今、注目しているのは地元である湘南・三浦半島の山々。

 

横須賀最高峰大楠山 早春の大楠平にて 河津桜は2月中旬頃からが見頃
(樋口氏撮影。)

 

実は樋口さん、昨年11月に『鎌倉&三浦半島山から海へ30コース 』(以下、本書)を上梓したばかり。

 

 

三浦半島の山々の魅力を尋ねると「これだけ歴史的、地質学的にみて面白い地域はない」と力説する。鎌倉幕府が成立した歴史的背景、細かい尾根が絡み合う複雑きわまる地質形成と植生分布、三浦半島の山々は奥深い。

 

三浦半島の山々を歩くことで、様々な問題が見えてくると樋口さんは言う。逗子の池子の森、横須賀・大楠山南部から山科台にかけてのワイハート計画(※)、三浦の小網代の森等々、開発と自然保護の確執が見えてくる。

 

・三浦分水嶺の全線を極める
樋口さんに三浦半島の山でおすすめのコースを尋ねると「ぜひ、三浦分水嶺を歩いてください。上級者向けですけど。」と本書を開いて説明してくれた。三浦分水嶺とは降った雨が相模湾と東京湾へ振り分けられるラインで、起点は横浜南部の円海山、終点を三浦の南端・剣崎灯台までを指す。全線を踏破するには日帰りでは無理で通常の歩きでは2~3日かかる。しかもライン上には様々な障壁があり、どう歩くかはハイカーの力量によるところが大きい。

 

爽やかな空気の中、小鳥のさえずりを聞きながら気持ちよく歩くハイキングもよいが、歴史・地質・植生など様々な視点を持ち、一つ上のハイキングを楽しみたい方、ぜひ本書を手にとって三浦分水嶺を極めてみてはいかがでしょうか。今まで知らなかった三浦半島が見えてくるかもしれませんよ。

 

大楠平の河津桜と樋口氏。

 

※横須賀市の最内陸部大楠山から山科台までに至るまでの約90ヘクタールに及ぶ開発計画。研究施設・文化施設・福祉施設などを幾つかの目的別に分けて総合的に開発する。

 

Mr. Ichiro Higuchi. He has published numerous books that related to mountains, the consideration is fulfilled with originality and there are many core fans. Last November just released "30 courses from the Kamakura & Miura Peninsula to the sea". So, after finished climbing 100 mountains of masterpiece, current his attention and interests are at the local mountains in Shonan and Miura Peninsula.

INFO

樋口 一郎 1960年生まれ。横須賀市在住

記事に登場する本書はこちら⇒『鎌倉&三浦 山から海へ30コース』