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沢山池の仙人 ゆうさん

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榎本裕さん(通称ゆうさん)は、『沢山池の仙人』、と呼ばれている。
(沢山池とは、横須賀市長坂にある大きな溜池。)

 

ゆうさんは、沢山池からあちこちに抜けるルートを知っている。池周辺の草木や鳥にも詳しい。急な斜面をすっすっと歩く。私たちが気付かない沢山池の自然の魅力をとつとつと伝えてくれる。そんなことから、ついた愛称が「沢山池の仙人」。

 

もともと、登山やアウトドア活動はお手の物だったゆうさん。親子で思いっきり遊ぶことがテーマの「よこすかプレーパーク」や、未就園児対象の森のようちえんの「てくてく」などの、子どもの外遊び活動に関わるうちに沢山池にめぐりあった。

沢山池のほとりにて。榎本裕さん

荒れ放題の放棄地

 

40年も人が入らない放棄地ゆえ荒れ放題だった沢山池周辺。倒木が行く手をはばみ、くずや山藤で森が覆われていた。
5年前にゆうさんと初めてこの沢山池周辺を歩いたとき、横須賀にもこんな未開の地があるのかと驚いた。
「ここを整備して、子どもたちが自然と親しめる場所にしていきたい」と話すゆうさんに、「それは素敵ですね」と返しつつも、「整備を手作業でだなんて、できるのだろうか・・?」と思ったことを覚えている。

 

“沢山池周辺は、平成23年度に横須賀市初の里山環境整備モデル地区に指定された。
以来、里山整備ボランティア事業に応じた団体・市民と、地域・行政が協働し、散策路の整備、小川のほとりの整備、復田作業などのさまざまな里山保全活動が実施されてきた。
いまでは、市民が里山を身近に楽しめる場になっている。”

森の中で歓声が響く


整備事業のなか、ゆうさんは沢山池周辺をくまなく歩き、手作業で枝を切り落としては、森を周遊する小道を独自に切り拓いていった。

出発前、子どもたちに「心がけ」をレクチャーするゆうさん

そんな作業を始めて1年半。木々を遊び場にした開けた尾根に、ゆうさんは子どもたちをいざなった。「森探検に行こう」と。


「ここで遊ぶの?どうやって?」と、ぽかんとしていた親子も、ゆうさん特製の竹のはしごを使って木登りしてみると抜群に気分がいい。
「見て!こんなに高く登れたよ!」
つるをターザンロープにして斜面を滑空する子が出てくる。最高にかっこよくて、見ていた子どもたちもやってみたくなる。
「空を飛んでるみたい!」 森の中で歓声が響く。
ここでは、子どもが自分の力量次第でいろいろな遊びができるのだ。

つるをつたって高い枝にチャレンジ

親子で「こんな遊び方は初めて!」と、森で遊ぶことの面白さに目覚めていく。

木に渡したロープ。一度にたくさんの子どもたちが遊べる

 

遊びながら学べる場に

 

現在ゆうさんは、親子で自然の中で遊ぶ「森遊び」や、周辺の景色のいいポイントや大木を巡る「一般向けエコロジカルツアー」を定期的に開催している。
そして次なる目標として、森で遊びながら自然から学び、生きる力(技術や知恵)を身に着けられる「さとやまがっこ構想」を考えているという。
ゆうさんなら実現するかもしれない。黙々と一人でこの道を切り開いたように。

INFO

ゆうさんの里山散歩

https://yokosuka-satoyama.jp