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地域で育つということ。

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「楽しかった!もう一回行ってきてもいい?」
元気いっぱいの小学生が、段ボールのトンネルへと消えていく。その後も同じような子が次々とやって来ては、先の見えないトンネルに、ワクワクを持った子どもたちが続く・・・。去る9月3日の土曜日に、池上小学校の体育館で行われた納涼大会の光景だ。

段ボール迷路の入り口。子どもたちはここから「ワクワク」を持ってスタートする。

子どもたちのために

この日は池上小学校の子どもたちを対象とした納涼大会。主催は池上青少年活動推進の会。昔は横須賀市のほとんどの地域で見られた青少年活動推進の会。しかし少子化や役員のなり手不足により、活動の規模は小さくなり、会自体を解散させてしまった地域も多い。池上でも同様の問題に悩まされてきたが、地域のおじちゃん、おばちゃんパワーでこれまでなんとか継続してやってきた。「子どもたちのために!」をモットーに、集まるは町会青少年関係役員、青少年育成推進員、民生児童委員、小中学校PTA役員、母親クラブ、子ども会、交通安全母の会や町内の有志たち。自身も池上で育った、という役員もいて、地元への想いも強い。
今回の納涼大会だけでなく、6月のクリーンキャンペーン、7月は池上神社祭礼宵宮での模擬店や榊神輿、山車の協力、1月のお正月大会など、地域の人たちと触れ合いながらのイベントが多い。お正月大会では、家庭でコマ回しや凧揚げなどをすることが少なくなった子どもたちが、見事な手つきでコマを回す地域のおじいちゃんに、「すごい!すごい!やり方教えて!」とせがむ姿も見られる。

 

 

楽しい納涼大会

毎年9月の第1土曜日に行われる納涼大会も、子どもたちが楽しみにしているイベントの1つ。16時のスタート前、すでに多くの子どもたちが受付に列をなしていた。始まりの合図とともに金魚すくいやヨーヨー釣りなど、それぞれ自分の好きなコーナーへ向かう子どもたち。段ボール迷路は無料で楽しめるとあって、何度も楽しむ子どもたちがいる毎年人気のコーナーだ。ここでは子どもたちのテンションの高さに圧倒される。「ねぇ、もう一回行ってきていい!?」「これで6回目!」と言いながら、スタート地点に戻ってくる子どもたち。ゴールして、そのままスタート地点へ戻ってくる子も多数。「楽しさ」が言わずと伝わってくる。段ボール迷路の中は暗いため、小さい子の中には途中で怖くなって泣きだしてしまう子も・・・。そんな光景も微笑ましい。

段ボール迷路全景。子ども会の子どもたちは迷路作りにも携わる。

金魚すくいに夢中の子どもたち。

そしてこれからも
実は筆者自身も池上で生まれ育っていて、小学生の頃は段ボール迷路作りを手伝い、そして楽しんでいた一人だ。あの頃といい意味で変わらない光景に安心する。普段はスマホに夢中の子どもたちが段ボール迷路に興奮し、楽しんでいる姿を見ると、なんだかんだ言っても子どもの「子どもらしさ」は変わらないのだな、と嬉しくなる。
自分が大人として、子どもたちを見守る立場として、ここに参加するのは不思議な気分だ。自分もこうして地域の大人たちに守られて育ってきたのだと思うと幸せなことだと思う。
自分がしてもらってきたように、私自身も子どもたちのために地域に貢献していきたい。

 

池上には漁業や農業、製造業のような産業はない。けれど「人の繋がり」は大きな魅力だ。子ども会や町内会等、各地域で多くの大人が子どもたちを見守り、子どもたちのために活動していることだろう。“地域で子どもを育てる”。言葉にすると単純かもしれないが、そこには子どもたちを想う気持ちのある大人たちの存在が欠かせない。「この町で育って良かった」―子どもたちがいつか大人になった時にそう思ってくれたら嬉しい。
そして自分たちが地域の大人にしてもらったことを、今度は自分たちの子どもへとつないでいってほしい。池上青少年活動推進の会は、そんな思いで活動を続けてくのだろう。